
こんにちは、姫路市のよつば歯科・小児歯科院長の橋本です!
ブログをご覧いただきありがとうございます。
今回は、近年注目されている「サージカルガイド」を用いたインプラント手術と、これまで広く行われてきた従来のインプラント埋入術との違いについて詳しくご紹介します。
「インプラント治療に興味はあるけど不安も多い…」
「安全性や正確性が高い方法を選びたい」
そんな患者さまのお声をよく耳にします。
実は、インプラント手術の成功率を左右する大きなカギは、“正確な埋入位置”と“安全性”です。
その2つを高いレベルで実現するのが「サージカルガイド」と呼ばれる新しい技術です。
この記事では、
- サージカルガイドとは何か?
- 従来の手術方法との違い
- 安全性と精度の比較
- サージカルガイドを使うメリットとデメリット
- どんな人におすすめか?
をわかりやすくお伝えします。
インプラント治療をご検討中の方は、ぜひ最後までお読みください。
インプラント治療とは?
まずは基本からおさらいしましょう。
インプラント治療とは、失った歯の代わりに、チタン製の人工歯根(インプラント)を顎の骨に埋め込み、その上に人工歯を装着する治療です。
天然歯に近い噛み心地や見た目が得られる、現代の歯科治療における最先端技術です。
ただし、インプラント治療には外科手術が必要なため、「どこに、どの角度で、どれくらいの深さに」インプラントを埋め込むかが非常に重要です。
この“埋入位置の正確さ”が、治療結果の良し悪しを大きく左右します。
従来のインプラント手術とは?
従来の方法では、手術前にレントゲンやCTを用いて患者さんの顎の骨の状態を確認し、歯科医師の技術と経験を頼りに手術中にインプラントの位置を決定していました。
この方法でも、熟練した歯科医師が行えば十分な成果が得られますが、以下のような課題がありました。
- 従来法の課題
- 術中に判断が必要:骨の状態に応じてその場で対応を変える必要がある
- 正確性に限界:目視や触感に頼るため、わずかなズレが生じやすい
- 神経・血管のリスク:下顎管(神経の通る管)や上顎洞(副鼻腔)への損傷リスク
- 見た目や噛み合わせの調整が難しい:位置や角度のズレが機能・審美性に影響することも
サージカルガイドとは?
- サージカルガイドとは
サージカルガイド(surgical guide)とは、CT画像や3Dスキャンで取得した患者さんの口腔内データをもとに作製された、インプラント埋入をガイドする専用のマウスピース型装置です。
このガイドには、あらかじめ決められた位置にドリルを通すための穴が空いており、その穴を通じてインプラント用のドリルを挿入することで、予定通りの角度・深さ・位置にインプラントを正確に埋め込むことができます。
- 作製の流れ
- CTスキャンと口腔内スキャンで、顎骨と歯列の情報を取得
- コンピュータ上で、インプラントの理想的な埋入位置を設計
- 3Dプリンタなどでサージカルガイドを製作
- 実際の手術で、サージカルガイドを装着して埋入手術を行う
このように、手術前にシミュレーションし、その通りに手術を進められることが最大の特長です。
サージカルガイド vs 従来法:比較表
項目 |
従来のインプラント手術 |
サージカルガイドを用いた手術 |
埋入精度 |
経験と技術に依存 |
CTデータに基づいた正確な埋入 |
手術時間 |
状況により変動・やや長め |
事前準備により短縮されやすい |
リスク |
神経・血管損傷の可能性あり |
解剖学的構造を避けた安全設計 |
審美性 |
ズレによる見た目への影響も |
設計通りに美しい仕上がりが可能 |
術後の腫れ・痛み |
場合により強く出ることも |
切開量を最小限にできるケース多数 |
難症例対応 |
限界あり |
骨量の少ない症例にも対応可能 |
費用 |
比較的抑えめ |
ガイド作製費用が加わる |
サージカルガイドの5つのメリット
- 驚くほど高い正確性
事前のCTやシミュレーションをもとに設計されているため、0.1mm単位での正確な埋入が可能です。
これにより、インプラントの寿命、安定性、仕上がりの見た目が大きく向上します。
- 安全性が飛躍的に向上
重要な神経や血管、上顎洞などを事前に把握・避けた設計ができるため、重大な事故のリスクを大幅に軽減できます。
高齢の方や全身疾患のある方にも安心です。
- 手術がスピーディーに
迷いのないドリリングができるため、手術時間を大幅に短縮できるケースもあります。
身体的・心理的な負担も少なく済みます。
- 術後の腫れや痛みが少ない
メスによる切開や縫合を最小限に抑えられる「フラップレス手術」が可能になる場合もあり、回復が早く、腫れや痛みが軽く済むことが多いです。
- 難症例にも対応可能
骨が薄い、神経が近い、審美性が求められる前歯部など、従来法では難しかった症例でも対応が可能です。
サージカルガイドの注意点・デメリット
いくら優れた技術でも、万能ではありません。以下の点には注意が必要です。
- 費用がやや高くなる
サージカルガイドの作製にはCT撮影、デジタル設計、3Dプリントなどの工程が必要です。
そのため、従来法と比較して費用が高くなる場合があります。
- ガイド作製に時間がかかる
データ取得からガイド完成まで数日〜1週間ほどかかるため、即日手術には対応できないこともあります。
- ガイドが適用できない症例も
患者さんの骨の状態や口腔内の条件によっては、ガイド使用が難しい場合もあり、従来法での対応が必要なこともあります。
どんな方にサージカルガイドはおすすめ?
- 初めてインプラント治療を受ける方
- 痛みや腫れをできるだけ抑えたい方
- 審美性(見た目)にこだわりたい前歯の治療
- 他院で「難しい」と言われた症例の方
- 神経や血管に近い部位への埋入を希望される方
- 治療の正確性・安全性を重視する方
まとめ:正確性と安心を求めるなら「サージカルガイド」という選択
インプラント治療は、患者さまの人生の質を大きく左右する大切な治療です。
その成功の鍵を握るのが、「正確な位置に、安全にインプラントを埋入すること」です。
サージカルガイドを活用することで、従来の方法に比べて飛躍的に精度・安全性が向上し、より快適な治療を受けていただけるようになりました。
当院では、CT診断・シミュレーション・ガイド作製を含めた安心・安全なインプラント治療をトータルでご提供しています。
ご不安なことがあれば、どんな小さなことでもお気軽にご相談ください。
よつば歯科・小児歯科では無料カウンセリングを実施中です!
インプラントに関するお悩みやご相談は、どうぞお気軽にご予約ください。