
姫路市の『よつば歯科・小児歯科』 院長の橋本です。
ブログをご覧いただきありがとうございます。
「子どもの歯並びをきれいにしたい!」という思いは、多くの親御さんが持つ共通の願いです。当院でも「学校の健診で歯並びを指摘された」「虫歯はないけど、歯並びが気になります」と相談に来られる方が増えています。
以前の記事「子どもの歯並びを守る!家でできる簡単習慣“では、「噛む」習慣や「呼吸」の大切さについてお話しました。今回は、「悪習癖」が歯並びに及ぼす影響について詳しく解説します。
指しゃぶりはいつまで大丈夫?
2歳頃までは「安心感を得る」「眠るための儀式」として指しゃぶりをするお子さんは少なくありません。しかし、3歳、4歳と成長しても続くと、前歯が前に出る「出っ歯」や、かみ合わせがずれる「開咬(かいこう)」の原因になることがあります。
指しゃぶりによる力は、日常の咀嚼(そしゃく)や舌圧よりも強く、指の圧が歯や顎に大きな影響を与えると言われています。
唇を噛むクセも要注意!
一見ささいに思える「唇を噛むクセ」。これも前歯の傾きや出っ歯を誘発する原因の一つです。特に、下唇を噛むクセがあると、上の前歯が前に出て、下の前歯が内側に倒れるケースが多くみられます。
早い段階で声かけをして、代わりにストローを使った遊びや、吹き戻しおもちゃなど「口周りを正しく使う遊び」に置き換えると良いでしょう。
口がポカンと開いている…これって大丈夫?
お子さんが普段から「口をポカンと開けている」ことに気づいたことはありませんか?実は、これも歯並びに大きな影響を与える要因です。
常に口が開いていると、舌が本来あるべき上あごの位置に収まらず、上顎の成長が抑制されてしまいます。その結果、歯が並ぶスペースが狭くなり「ガタガタの歯並び」になりやすくなるのです。
飲み込み時の舌のクセ(異常嚥下癖)
食べ物を飲み込むとき、舌を前に突き出すクセ(異常嚥下癖)を持つお子さんがいます。このクセがあると、前歯が押し出され、上下の前歯の間に隙間ができる「開咬」になるリスクが高まります。
食事の様子を観察して「舌が前に出ていないか」をチェックしてみてください。改善には、舌のトレーニング(MFT=口腔筋機能療法)が効果的です。当院でも必要に応じて指導しています。
舌を動かすクセ「弄舌癖(ろうぜつへき)」にも注意!
悪習癖の中でも、あまり知られていないのが「弄舌癖(ろうぜつへき)」です。これは、無意識に舌を前歯で押したり、舌を出したり、歯の間に挟むクセのことを指します。
弄舌癖が続くと、舌の力で前歯が前に出てしまったり、上下の前歯の間に隙間が生じる「開咬(かいこう)」になりやすくなります。特に小さい頃からの癖が長期間続くと、成長に伴い歯列や顎の発達に大きな影響を与えます。
この癖は、普段の会話や食事、飲み込み動作の中で気づくことが多いですが、お子さん自身は自覚していない場合がほとんどです。保護者の方が日常の様子を観察し、「舌を前に出す動きが多くないか」「歯の間に舌を挟んでいないか」を確認することが大切です。
改善には、舌や口周りの筋肉を鍛えるトレーニング(MFT:口腔筋機能療法)が効果的です。当院でも、お子さんの癖の状態に合わせたトレーニング指導を行っていますので、お気軽にご相談ください。
頬杖や片側ばかりで噛むクセも歯並びに影響!
長時間の頬杖や、左右どちらか片方ばかりで噛むクセも、顔や顎の歪みを引き起こす原因になります。成長期の子どもの骨はやわらかく、歪みやすい特徴があります。
「姿勢を正す」「両側で噛む意識を持つ」など、日頃からの習慣づけが大切です。
5歳以降にガタガタがあれば要注意!
「乳歯だから自然に治るかな?」と様子を見ている間に、歯並びはどんどん悪化することもあります。特に、5歳以降に「前歯のガタガタ」や「かみ合わせのずれ」がある場合は、早めに小児矯正の検討をおすすめします。
小児矯正は「成長の力」を利用して骨格を整えるため、早期にスタートすることで将来的な治療の負担を減らすことができます。当院では、小児矯正の無料相談を行っていますので、お気軽にご相談ください。
家でできる!今日から始めたい「簡単習慣」
- よく噛んで食べる
→ 顎の発達を促し、歯列のスペースを確保します。 - ストローや吹き戻し遊び
→ 口周りの筋肉を鍛え、正しい舌の位置を促します。 - 鼻呼吸を意識する
→ 鼻呼吸は口腔内の乾燥を防ぎ、歯列を守ります。 - 姿勢を正す
→ 全身のバランスを整え、顎の成長に良い影響を与えます。
当院の専門家によるサポート
院長紹介ページでも詳しく紹介していますが、当院の院長は歯科矯正学の博士号を取得し、豊富な経験と科学的根拠に基づく治療を行っています。「このクセは大丈夫?」「いつから矯正を始めればいい?」など、どんな些細な疑問でも大歓迎です。
詳しくは小児矯正ページをご覧ください。
前後編に分けてお話ししましたが、ブログで取り上げた例はほんの一部です。実際には、歯並びに影響を及ぼす要因はお子さん一人ひとり異なり、とても多く存在します。「うちの子の場合はどうだろう?」と気になったら、ぜひ当院へご相談ください。気軽にネット予約が可能ですので、ぜひご利用ください。
まとめ
✔ 指しゃぶりや唇を噛むクセ、口呼吸などの「悪習癖」は歯並びに大きな影響を与えます。
✔ 5歳以降に歯のガタガタが見られる場合は、早めに小児矯正を検討しましょう。
✔ 今日からできる簡単な習慣を取り入れることで、将来のきれいな歯並びをサポートできます。
「まずは気軽に相談してみたい」という方は、無料矯正相談をご利用ください!
Reference
- Warren JJ, Bishara SE. Duration of nutritive and nonnutritive sucking behaviors and their effects on the dental arches in the primary dentition. Am J Orthod Dentofacial Orthop. 2002.
- Proffit WR, Fields HW, Sarver DM. Contemporary Orthodontics, 6th Edition. Elsevier; 2018.
- 日本矯正歯科学会 小児矯正治療ガイドライン.