
姫路市の『よつば歯科・小児歯科』 院長の橋本です。
ブログをご覧いただきありがとうございます。
「新しい治療法って、なんとなく不安…」
そんなふうに感じて、歯科治療をためらっていませんか?
実際に日々の診療でもそんな声をよく耳にします。
実は、あなたが“新しい”と思っている治療法の中には、医学的に長年の実績があり、世界中で安全に使われているものもあるんです。
そのひとつが「笑気吸入鎮静法」。
今回は、70年以上の歴史と信頼をもつ笑気吸入鎮静法について、歯科矯正学の博士号を持つ当院院長が、専門的な視点からわかりやすく解説します。
😌 笑気吸入鎮静法ってなに?
笑気吸入鎮静法とは、治療中にごく低濃度の「笑気(亜酸化窒素)」と酸素を混ぜたガスを鼻から吸うことで、リラックスした状態を作り出す方法です。
痛みを完全になくす「麻酔」とは違い、あくまで「恐怖心」や「緊張感」を和らげるための補助的な鎮静法。
つまり、「意識はあるまま、ふわっと気持ちがラクになる」状態をつくるのが特徴です。
特にこんな方におすすめです:
- 歯医者さんが怖い・緊張してしまう方
- 過去の治療で痛みがトラウマになっている方
- 嘔吐反射が強く、型取りなどが苦手な方
- 小さなお子さんの初めての治療に
📚 実は70年以上の歴史!世界で認められた信頼性
「笑気鎮静って最近の技術じゃないの?」
そんなふうに思っている方も多いのですが、実は1940年代からアメリカで歯科治療に使われ始め、今では世界中の小児歯科や一般歯科で広く導入されています。
日本でも厚生労働省の認可を受けており、一定の条件を満たせば保険適応になるのも安心ポイントです。
また、笑気は吸入をやめるとすぐに体外に排出されるため、副作用が極めて少なく、年齢を問わず使いやすいという利点も。
当院でも、3歳からご高齢の方まで多くの患者さまに安心してご利用いただいています。
🧠 全身麻酔とはどう違うの?
「鎮静」と聞くと、「全身麻酔と同じ?」と思われる方もいるかもしれません。
結論から言えば、まったく別物です。
比較項目 |
笑気吸入鎮静法 |
全身麻酔 |
意識 |
ある |
ない |
呼吸 |
自分でできる |
人工呼吸が必要 |
入院の必要 |
なし |
あり(通常) |
副作用のリスク |
極めて低い |
比較的高い |
使用シーン |
軽度の恐怖心や緊張時 |
外科手術や侵襲の大きい治療時 |
つまり、笑気吸入鎮静法は、日帰り・短時間の治療にも気軽に使える、安全性の高いサポート手段なのです。
🏥 よつば歯科での取り組みと専門性
当院「よつば歯科・小児歯科」では、笑気吸入鎮静法を積極的に導入し、「歯医者が怖い」という気持ちを少しでもやわらげるサポートを行っています。
院長は歯科矯正学の博士号を持ち、科学的根拠に基づいた治療法を大切にしています。
とくに小児歯科・小児矯正に力を入れており、笑気鎮静はお子さんの“はじめての歯科体験”を心地よいものにするためにも有効活用しています。
👩👧 ママにも安心!小児歯科・小児矯正との相性◎
笑気吸入鎮静法は、小さなお子さんの治療にも非常に相性が良いとされています。
特に、口を長時間あけていられないお子さんや、診察台に座ることに不安があるお子さんにとって、「ふわふわする感覚」は“恐怖心を乗り越える第一歩”となります。
当院では、小児矯正の導入期(バイオブロックステージ1・マイオブレース)においても、笑気鎮静を活用し、ストレスの少ない通院をサポートしています。
💡 よくある質問Q&A
- 笑気って中毒性はないの?
A. 医療用に適切な濃度で管理されており、中毒性はありません。歯科で使う笑気は、20〜30%程度で酸素と一緒に吸入するため、安全性が非常に高いです。 - 治療後に車の運転はできる?
A. はい、可能です。笑気は吸入をやめると速やかに排出されるため、30分程度で通常の状態に戻ります。 - 保険は使える?
A. はい、保険診療で対応可能なケースも多くあります。詳細はお気軽にご相談ください。
🌱 まとめ:怖くない治療の第一歩に、笑気吸入鎮静法という選択を
「歯科治療が怖い」「子どもが泣いてしまう」
そんなお悩みを持つ方にこそ、“知ってほしい、実はとても安全な方法”があります。
笑気吸入鎮静法は、70年以上の実績と科学的な根拠に支えられた、優しいサポート技術です。
不安を我慢するのではなく、リラックスして治療を受ける方法を選びませんか?
「気になるけど、自分や子どもにも使えるの?」と思ったら、まずはお気軽にご相談ください。
🧾 Reference(参考文献)
- Malamed SF. Sedation: A Guide to Patient Management. 6th ed. Mosby; 2017.
- 日本歯科麻酔学会. 笑気鎮静法ガイドライン.
- American Academy of Pediatric Dentistry (AAPD). Behavior Guidance for the Pediatric Dental Patient.
- 小児歯科臨床(日本小児歯科学会雑誌)各号より。