
姫路市のよつば歯科・小児歯科院長の橋本です。
ブログをご覧いただきありがとうございます。
歯列矯正治療と聞くと、多くの方は「歯並びをきれいに整えるもの」というイメージを持たれているのではないでしょうか。確かに、矯正の大きな目的の一つは美しい歯並びや口元をつくることです。しかし、実は歯列矯正治療において 大切な“土台” があります。
それが「歯を支える歯ぐきと骨(歯槽骨)」です。
見た目の歯並びばかりに気を取られてしまうと、長期的に健康な歯を保つために必要な「歯ぐきと骨」のチェックを見逃してしまう危険があります。今回は、当院が大切にしている “歯並びだけじゃない歯列矯正診断” について、科学的な視点を交えながらお伝えします。
なぜ“歯ぐきと骨”を見る必要があるのか?
歯は単独で存在しているわけではなく、歯槽骨と歯ぐきに支えられて初めて機能します。矯正で歯を動かす際、この土台部分が健康でなければ、歯の動きはスムーズにいきません。
もし骨が薄かったり、歯ぐきが弱っていたりすると…
- 矯正中に歯ぐきが下がる(歯肉退縮=リセッション)
- 歯根が骨から飛び出してしまう
- 矯正後に歯を失うリスクが高まる
こうしたトラブルは決して珍しくありません。だからこそ 「歯並びだけ」ではなく「歯ぐきと骨」まで診断すること が矯正成功のカギになるのです。
精密診断の必須アイテム:CTとiTero
当院では、矯正を検討されるすべての患者さんに CT(3D撮影)と口腔内スキャナーiTero を用いた精密診断を行っています。
- CT:骨の厚み・歯根の位置・隠れた病変まで立体的に把握
- iTero:歯並びのスキャンとシミュレーションで、将来の歯並びを“見える化”
これにより「安全に歯を動かせるか」「歯ぐきや骨への負担はないか」を事前に確認できます。見た目重視の矯正ではなく、将来にわたって健康を守れる矯正を実現するために欠かせないプロセスです。
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➡ 医院紹介(CT・スキャナー設備一覧)
“見た目だけの矯正”で起こりがちな失敗例
インターネットやSNSには「短期間で安くできる矯正」「とにかく歯並びがきれいになればOK」という情報が溢れています。もちろん手軽さは魅力ですが、そこに潜むリスクも無視できません。
例1:歯ぐきが下がったケース
骨の厚みを診ずに前歯を大きく動かした結果、歯根が骨から飛び出し、歯ぐきが下がって見た目が逆に老けてしまった。
例2:噛み合わせの不調
歯並びはきれいになったが、上下のかみ合わせがずれて顎関節症のような症状が出てしまった。
これらは “歯ぐきと骨”を見ない診断 によって引き起こされる典型例です。矯正は「見た目改善」と同時に「機能の維持」も両立させるべき治療だということを忘れてはいけません。
当院が大切にしている矯正診断の流れ
- カウンセリング
お悩みやご希望を丁寧に伺います。美容目的だけでなく、将来のリスクについてもお話しします。 - CTとiTeroで精密検査
骨や歯ぐきの状態を3Dで可視化。歯を安全に動かせるか確認します。 - シミュレーションのご提示
iTeroで未来の歯並びを“見える化”。リスクとメリットを一緒にご確認いただきます。 - 治療計画の立案
見た目だけでなく、機能と健康を守る計画をご提案します。
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➡ 成人矯正ページ
子どもの矯正こそ“骨の成長”が重要
大人だけでなく、小児矯正においても骨の状態を診ることは欠かせません。成長期に合わせて顎の骨を適切に広げることで、将来的に健康な歯並びが得やすくなります。
👉 小児矯正についてはこちら
➡ 小児矯正ページ
院長は歯科矯正学の博士号取得者です
当院の院長は歯科矯正学で博士号を取得しており、科学的根拠に基づいた診断を行っています。エビデンスをもとに「なぜこの治療が必要か」をご説明できることも、当院の大きな強みです。
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➡ 院長紹介(矯正専門)
まとめ:本当に安心できる矯正とは?
歯列矯正治療は「歯並びを整える」ことが目的ではありますが、見た目だけを追い求めるのは危険です。大切なのは、歯を支える 歯ぐきと骨まで診断すること。
見えない部分をしっかり診てこそ、本当に安心できる矯正につながります。
「矯正に興味はあるけど、自分に合っているのか不安…」
「見た目だけの矯正で後悔したくない」
そんな方はぜひ一度、当院にご相談ください。矯正を始めるタイミングや治療方法には一人ひとり違いがありますが、私たちは最新のCT・iTeroによる精密診断と、矯正学の博士号に基づいた専門知識でサポートします。患者さんの将来の笑顔と健康を守るため、見た目と機能の両立を重視した矯正をご提案いたします
👉 ご相談はこちらから
➡ 矯正相談のご案内(WEB予約)
Reference
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- Zachrisson BU, Alnaes L. Periodontal condition in orthodontically treated and untreated individuals. II. Alveolar bone loss: radiographic findings. Angle Orthod. 1974;44(1):48–55.
- Wennström JL, Lindhe J. Role of attached gingiva for maintenance of periodontal health. J Clin Periodontol. 1983;10(2):206–221.




