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大人の矯正は遅い?姫路の歯医者が解説する始めどきガイド
姫路市の「よつば歯科・小児歯科」院長の橋本です。
「矯正治療に興味はあるけれど、もう大人だし遅いかな…」
そんなご相談を、姫路でも多くいただきます。
結論からお伝えすると、大人の矯正は決して遅くありません。
一方で、年齢よりももっと大切なポイントがあります。
それが歯周病が進行していないこと、そして口腔内環境が整っていることです。
私は歯科矯正学で博士号を取得し、日本矯正歯科学会・日本小児矯正研究会に所属しながら、エビデンスに基づいた矯正治療を行っています。
この記事では、大人の矯正の「始めどき」や、当院が大切にしている歯周病チェックと口腔内環境の重要性について、姫路の矯正歯科としてわかりやすく解説します。
当院では、成人矯正はインビザライン、小児矯正はマイオブレースやインビザラインファーストを行うことが多く、
矯正治療と並行して虫歯予防や歯周病ケアなどのメンテナンスも丁寧に行っています。
▶ 成人矯正(インビザライン)についてはこちら:
成人矯正ページ
大人の矯正は本当に遅くない?
矯正治療というと「子どものうちにするもの」というイメージが強いかもしれません。
しかし、実際には20〜60代まで幅広い年代の方が矯正を受けています。
歯は何歳になっても動く
大人でも、歯を支える骨(歯槽骨)は代謝を続けているため、適切な力を加えれば歯は動きます。
そのため、年齢だけを理由に「矯正はできない」となることはありません。
「見た目」だけでなく「健康」のための矯正
大人の矯正は、見た目のコンプレックス解消はもちろん、
・歯磨きしやすくなる
・むし歯や歯周病のリスクを減らせる
・噛み合わせが整い、将来歯を残しやすくなる
といった健康面のメリットも大きいのが特徴です。
一方で、当院が大人の矯正で最も重視しているのは、患者さんの年齢ではなく、歯周病の進行度と口腔内環境です。
重度の歯周病がある場合は矯正をおすすめできないことも
歯周病が進行し、歯槽骨(歯を支える骨)が大きく吸収されている場合、
歯を動かすことでさらに歯を支える骨が減ってしまうリスクがあります。
その結果、歯の動揺(グラグラ)が強くなったり、最悪の場合は歯を失ってしまう可能性もあります。
実際に当院でも、60代で歯周病が進行し、歯槽骨の骨吸収が大きく進んでいる方に対して、矯正治療をお断りしたケースが複数回あります。
その方のお口の健康を守ることを最優先に考えた結果、まずは歯周病治療とメンテナンスに専念することをご提案しました。
矯正の条件は「歯周病が安定していること」
大人の矯正治療を安全に行うためには、次のような状態が大切です。
- 歯周病が進行していない、またはしっかり治療・管理され安定している
- むし歯が治療されている、または治療中の部分がない
- 毎日のブラッシングが十分にできている
- 定期的にメンテナンス(クリーニング)を受けている
このように、矯正ができるかどうかのカギは「年齢」ではなく「お口の健康状態」にあります。
「自分は矯正ができるのかな?」と不安な方は、まずは一度、現在のお口の状態を確認しに来てください。
▶ 矯正のご相談・検査のご予約はこちら:
よつば歯科・小児歯科|WEB予約ページ
大人の矯正を始めるベストタイミングとは?
「いつ始めるべきか」というご質問に対して、
当院では『迷っている今』が一つのタイミングですとお伝えすることが多いです。
① 見た目が気になり始めたとき
「写真を撮るたびに前歯が気になる」「口を開けて笑えない」など、
見た目のコンプレックスは放置するとストレスや自己肯定感の低下につながることもあります。
少しでも気になり始めたら、まずは相談だけでも大丈夫です。
② 歯磨きがしづらい・むし歯や歯周病を繰り返すとき
ガタガタした歯並びや叢生(そうせい)は、磨き残しの原因となり、むし歯や歯周病のリスクを高めます。
矯正で歯並びを整えることで、一生の予防の土台をつくることができます。
③ 将来の治療(インプラント・被せ物)の前に整えておきたいとき
インプラントやかぶせ物治療の前に歯列を整えることで、
きれいで長持ちする補綴治療が可能になります。
将来を見据えた「歯の投資」として、大人の矯正を選ばれる方も増えています。
インビザラインが大人の矯正に向いている理由
当院では、成人矯正の多くでインビザラインを採用しています。
大人の方のライフスタイルに合いやすい特徴が多いためです。
① 透明で目立たない
薄く透明なマウスピースを使用するため、装着していてもほとんど気づかれません。
接客業・営業職・人前で話す機会が多い方にも選ばれています。
② 取り外しができて清潔を保ちやすい
食事や歯磨きの際には一時的に外せるため、矯正中でもしっかりブラッシングができるのが大きなメリットです。
むし歯や歯周病のリスクを抑えやすく、大人の矯正と非常に相性が良い治療法です。
③ 痛みが少ないと言われている
インビザラインは、歯を少しずつ動かすように設計されたマウスピースを段階的に交換していきます。
ワイヤー矯正に比べて痛みが少ないと報告されており、実際に当院でも「想像していたより楽でした」という声をいただきます。
④ 通院回数が少ない
1か月に1回の来院で治療を進められるため、お仕事や子育てで忙しい方にも続けやすいのが特徴です。
▶ インビザラインを用いた成人矯正の詳細はこちら:
成人矯正ページ
矯正と同時に行う「予防・メンテナンス」
先ほどお伝えした通り、大人の矯正では歯周病と口腔内環境の管理が非常に重要です。
そのため当院では、矯正治療と並行して次のようなケアを行っています。
- 定期クリーニング(PMTC)で歯垢・歯石を徹底的に除去
- フッ素塗布でむし歯予防
- ブラッシング指導でセルフケアの質を向上
- 歯周病検査と噛み合わせチェックで長期安定性を確認
矯正治療は、ただ歯を動かすだけではありません。
「整った歯並びを、健康な状態で長く守ること」が大切だと考えています。
当院の大人矯正の流れ
① カウンセリング(無料相談)
まずは、お悩みやご希望(見た目・期間・費用など)をしっかり伺います。
「大人だけど矯正できる?」「歯周病があるけど大丈夫?」といった不安も遠慮なくお話しください。
▶ 無料相談のご予約はこちら:
よつば歯科・小児歯科|WEB予約ページ
② 精密検査
レントゲン、3Dスキャン(iTero)、口腔内写真、歯周病検査などを行い、
歯並びだけでなく、歯周病や噛み合わせの状態も細かくチェックします。
③ 診断・治療計画の説明
検査結果をもとに、
・矯正治療が可能かどうか(歯周病の状態を含めて)
・インビザラインが適しているか
・治療期間の目安
・費用と支払い方法
をわかりやすくご説明します。
④ 矯正治療スタート
インビザラインのマウスピースを装着し、1〜2週間ごとに新しいアライナーに交換して歯を少しずつ動かしていきます。
同時に、定期的なメンテナンスで歯ぐきと歯の健康を守ります。
⑤ 保定(リテーナー)
歯がきれいに並んだあとは、リテーナーを使って後戻りを防ぎます。
この保定期間も、歯周病やむし歯のチェックを続けながら、長期的な安定を目指します。
よくある質問(FAQ)
Q1. 60代でも矯正はできますか?
歯周病がきちんと管理され、歯を支える骨が十分に残っていれば可能な場合があります。
ただし、歯周病が進行して骨吸収が大きい場合には、当院では矯正をおすすめしないこともあります。
実際に、60代の方で歯周病が進行していたため、矯正治療をお断りし、まずは歯周病治療に専念していただいたケースも複数あります。
Q2. まずは何をしたら良いですか?
「矯正できる状態かどうか」を知るためにも、一度、検査とクリーニングを受けていただくことをおすすめします。
そのうえで、矯正が可能かどうか、どのような治療が向いているのかをご説明します。
Q3. インビザラインとワイヤー矯正、どちらが良いですか?
症例によりますが、当院では成人の多くのケースでインビザラインを用いています。
目立たず、取り外し可能で清掃性が高く、大人の矯正と特に相性が良い治療法だと考えています。
関連リンク
▶ 矯正無料相談・ご予約はこちら
▶ 院長紹介(歯科矯正学博士・学会所属)
▶ 成人矯正(インビザライン)
▶ 小児矯正(マイオブレース/インビザラインファースト)
Reference(科学的根拠)
- Ke Y, Zhu Y, Zhu M. “A comparison of treatment effectiveness between clear aligner and fixed appliance therapies.” J Dent. 2019.
- Rossini G, Parrini S, Castroflorio T, et al. “Efficacy of clear aligners in controlling orthodontic tooth movement: a systematic review.” Angle Orthod. 2015.
- Papageorgiou SN, Keilig L, Hasan I, et al. “Effectiveness of clear aligners in controlling orthodontic tooth movement: a systematic review and meta-analysis.” Prog Orthod. 2018.
- Joss-Vassalli I, Grebenstein C, Topouzelis N, et al. “Orthodontic treatment in adults: Clinical and periodontal aspects.” Int J Esthet Dent. 2013.
- Santamaria M, et al. “Periodontal considerations in adult orthodontic patients: A review.” J Clin Periodontol. 2017.




