
姫路市の『よつば歯科・小児歯科』 院長の橋本です。
ブログをご覧いただきありがとうございます。
「将来、うちの子の歯並びは大丈夫かな?」
そんな不安を抱えるお母さん、お父さんは多いのではないでしょうか。
診療のときにそういった質問を毎日のように受けております。
実は、きれいな歯並びを育むためには、矯正治療を始める前からの「毎日の生活習慣」がとても重要です。
歯並びは遺伝だけでなく、顎やお口周りの筋肉の発達、食事や姿勢などの環境要因が大きく影響しています。
当院【よつば歯科・小児歯科】では、「0歳から親子で通える歯科医院」をコンセプトに掲げ、0歳からお子様の成長に沿ったお口のアドバイスを順次行っております。
「まだ歯科に行くのは早いかな?」と思っている方も、ぜひ気軽にご相談くださいね。
今回は「どのようなものを口にしたら良いのか」にスポットを当て、お家で今日から実践できる「子どもの歯並びを守る簡単習慣」を5つご紹介します!
(院長紹介はこちら)
- 歯が生える前からの「歯固め」でお口の準備
赤ちゃんの歯が生える前から使える「歯固め」。
これを噛むことで、顎や舌、唇といったお口周りの筋肉をバランスよく刺激できます。
噛む動作は唾液の分泌を促すため、むし歯予防の効果も期待できます。
柔らかすぎず、適度に弾力のある歯固めを選ぶのがおすすめです。
「まだ歯が生えていないから大丈夫」と思わずに、早い時期からお口の機能を育てる準備をしてあげましょう。
- 「自分の前歯でかじって食べる」習慣
歯が生え始めた1歳頃から3歳までの間は、「食べ方」がとても大切です。
一口大にカットした食事ばかりでは、前歯を使う機会が減ってしまい、顎や口周りの筋肉が育ちにくくなります。
例えば、おにぎりやパンなどを丸ごと持たせて「自分の前歯でかじり取る」経験をさせてあげましょう。
この動作によって噛む力だけでなく、唇や頬の筋肉、舌の動きも自然に鍛えられます。
また、自分の前歯でかじり取ることで、自分の口の大きさを感覚的に理解できるようになります。
これにより、大きなものをそのまま飲み込んで喉を詰まらせるリスクを回避することにもつながります。
※お子様が食べ物を噛むときや硬いものを食べる際には、喉に詰まらせないように必ず大人の方がそばで注意して見守ってください。
- 「硬いものを噛む」ことで噛む力アップ
現代の食事は柔らかいものが多く、噛む回数が減りがちです。
しかし、3歳くらいからしっかり噛むことは顎の発達を促し、歯が並ぶためのスペースを確保するうえで非常に大切です。
例えば、するめ、小魚、にんじんスティック、レンコン、きんぴらごぼうなど、少し硬めの食材を意識的に取り入れてみましょう。
「よく噛んで食べようね!」と声をかけるだけでも、お子さんの意識は変わります。
硬いものを噛むことで、顎の骨や筋肉がしっかりと成長し、歯並びを支える土台が育ちます。
- 「吹き戻し」など口を使った遊びを取り入れる
遊びの中でも、口を使う活動はとても大切です。
吹き戻しやシャボン玉、風船遊びなど、息を吹く動作は唇や頬、舌の筋肉をバランスよく鍛えることができます。
特に吹き戻しは、遊び感覚で口の機能を鍛えられるので、お子さんも楽しく取り組めます。
「遊びながらトレーニング」という感覚で続けやすいのがポイントです。
- 姿勢を整える「足裏接地」習慣
食事中の姿勢も歯並びに深く関わっています。
イスに座ったときに足がブラブラしていると、噛む力が十分に発揮できず、顎の成長が阻害されることがあります。
足裏がしっかり床や踏み台に接する状態をつくることで、安定した姿勢が保たれ、自然としっかり噛む習慣が身につきます。
「正しい姿勢で食べる」という意識は、歯並びのためだけでなく、全身の健康にもつながります。
5歳以降に歯のガタガタが見えたら「小児矯正」を検討
これらの習慣を心がけても、全てのお子さんが理想的な歯並びになるわけではありません。
個々の骨格や遺伝的要素により、成長の経過は異なります。
5歳くらいで「歯がガタガタしてきた」「噛み合わせが気になる」といった症状が見られる場合は、早めに専門家へ相談することが大切です。
小児矯正について詳しくはこちら。
当院では院長が歯科矯正学博士号を取得しており、科学的根拠に基づいた治療プランをご提案しています。
「ちょっと気になるかも」と思ったら、ぜひ矯正相談予約をご利用ください。
まとめ
歯が生える前の「歯固め」、3歳頃までの「前歯でかじる」習慣や「硬いものを噛む」こと、吹き戻しなどの遊び、正しい姿勢。
これらの「家でできる簡単習慣」を意識することで、お子さんの健やかな顎の成長ときれいな歯並びをサポートできます。
当院では0歳から親子で通える体制を整えております。0歳からお子様の成長に沿ったアドバイスも順次行っております。
「歯並びは一生の財産」です。小さいうちからできることを始めて、大切なお子さんの未来の笑顔を一緒に守っていきましょう!
今回は「どのようなものを口にしたら良いのか」にスポットを当てましたが、指しゃぶりや唇を噛む、頬杖などの「お口の癖」が歯並びに与える影響については、また後日詳しくお話しします。楽しみにお待ちくださいね!
今回の記事では、「どのようなものを口にしたら良いか」という点にスポットを当ててお話しましたが、お子さまの歯並びには「指しゃぶり」や「唇を噛む」「頬杖」などの癖も大きな影響を与えます。これらの「悪習癖」について詳しく解説した【後編記事】もぜひご覧ください!お子さまの歯並びを守るヒントがたくさん詰まっています。
▶︎ 子どもの歯並びを守る!家でできる簡単習慣【後編】はこちら
Reference
- Hiyama et al., “Influence of dietary consistency on jaw bone development in children,” Journal of Oral Science, 2011.
- 日本小児歯科学会編「小児歯科臨床ガイドライン」2022年版.
- 「咬合の育成に関する指針」日本矯正歯科学会.