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子どもの歯並びチェックリスト|矯正が必要なサイン10選
姫路市の「よつば歯科・小児歯科」院長の橋本です。
当院のブログをご覧いただきありがとうございます。
「うちの子は矯正が必要?」「様子を見ていたら問題ない?」 このようなご相談を、保護者の方から毎日のようにいただきます。
実は、子どもの歯並びの異変は“早期に気付くこと”が最も重要です。 特に乳歯の時期は、永久歯が正しい位置に生えてくるための「土台づくり」の期間であり、 適切なタイミングで介入すると、将来的な抜歯や本格矯正を回避できる可能性が高まります。
当院は、歯科矯正学で博士号を取得した院長が、 エビデンスに基づいた小児矯正(マイオブレース/インビザラインファースト)を提供しています。
この記事では、矯正が必要なサインをわかりやすく10項目にまとめて解説します。
目次
矯正が必要なサインとは?
小児矯正は、歯の位置そのものを力で動かす矯正ではなく、顎の成長・口腔機能を整える矯正です。 そのため、歯の並びに加えて「癖」「呼吸」「舌の位置」なども重要なチェックポイントになります。
特に乳歯がある時期は、永久歯が生えてくるスペースをつくる非常に大切な時期で、 この時期に問題があるかどうかで、将来の歯並びは大きく変わります。
子どもの歯並びチェックリスト10選
① 乳歯列に隙間が全くない
乳歯列に隙間がない場合、永久歯が生えるスペース不足の可能性が高いです。 乳歯よりも永久歯の方が大きいため、隙間ゼロ=将来的なガタガタのリスクが高まります。
② 口をポカンと開けていることが多い
口呼吸は、 ・出っ歯 ・受け口 ・歯が前に傾く ・顎の成長不足 などの原因になります。 早期に改善するほど、歯並びは安定しやすくなります。
③ 舌で前歯を押す癖がある
舌突出癖は、出っ歯や開咬(奥歯しか噛まない状態)の大きな原因です。
④ 唇を噛む癖がある
下唇を噛む癖は出っ歯、上唇を噛む癖は受け口の原因となります。
⑤ 指しゃぶりが長く続いている
長期の指しゃぶりは前歯の傾きや開咬のリスクが高まります。
⑥ 食べるときに噛む回数が明らかに少ない
噛む回数が少ないと顎の成長が不足し、永久歯のスペース不足につながります。
⑦ 歯と歯の間に食べ物が挟まりやすい
噛み合わせのズレや歯列不正のサインであることがあります。
⑧ 前歯が閉じにくい・上下の前歯が噛み合わない
開咬や過蓋咬合など、骨格に影響する状態の可能性があります。
⑨ 発音が不明瞭(特にサ行・タ行)
舌の位置異常が原因であることが多く、口腔機能発達不全のサインです。
⑩ 歯ぎしりや噛みしめが多い
噛み合わせの不調和を体が補おうとしている場合があります。
6歳までに診せるのが理想な理由
当院では5〜6歳での一度の受診を推奨しています。 理由は以下の通りです。
- 顎の成長ピークが訪れる前に介入できる
- 永久歯が生えるスペース不足を早期に改善できる
- 悪い癖を早く治せるほど改善効果が大きい
- 虫歯予防の観点でも早期チェックが重要
これにより、将来的に抜歯矯正や大掛かりな治療を避けられるケースが増えます。
口腔機能発達不全を防ぐ重要性
歯並びの乱れは「歯そのものの問題」だけではありません。 呼吸・嚥下・舌の位置・姿勢などのクセが複合的に影響します。
口腔機能発達不全は、 ・永久歯のスペース不足 ・顎の成長不良 ・歯列不正 の大きな原因となります。
適切な時期に介入することで、 正しい顎の成長 × 永久歯が並ぶスペース × 癖の改善 を同時に達成できます。
当院で行う小児矯正(マイオブレース/インビザラインファースト)
マイオブレース
歯を動かすだけでなく、口腔機能の改善を目的とした矯正です。 呼吸・舌の位置・飲み込み方のトレーニングも併用し、根本から歯並び改善を行います。
インビザラインファースト
目立ちにくく快適な小児用マウスピース矯正。 永久歯のスペース確保や歯列アーチの拡大にも優れています。
矯正と虫歯予防を同時に行う当院の取り組み
小児矯正は「歯並びを整える治療」であると同時に、 健康な永久歯を守る治療です。 そのため当院では以下の予防メンテナンスを並行しています。
- PMTC(プロクリーニング)
- フッ素塗布
- ブラッシング指導
- 噛み合わせチェック
乳歯の虫歯は永久歯の位置や顎の成長にも影響します。 将来の虫歯予防のためにも、定期受診は非常に重要です。
よくある質問
Q1. 乳歯が多くても矯正できますか?
できます。むしろ効果が出やすい時期です。
Q2. 何歳から相談すべきですか?
5〜6歳で一度診せていただくのが最善です。
Q3. 装置を嫌がらないか心配です。
マイオブレースやインビザラインファーストは痛みが少なく続けやすい装置です。
Reference(科学的根拠)
- Guilleminault C, Huseni S, Lo L. Pediatric sleep apnea and oral dysfunction. Int J Pediatr Res. 2016.
- Villa MP, et al. Oromotor dysfunctions in children with malocclusion. Sleep Breath. 2017.
- Myofunctional therapy and dentofacial development. Am J Orthod Dentofacial Orthop.




