
姫路市のよつば歯科・小児歯科院長の橋本です!
ブログをご覧いただきありがとうございます。
「レントゲンって被ばくするんですよね?本当に大丈夫ですか?」
歯科の診療室でよく聞かれるこの質問。特にお子さん連れのママや妊婦さん、ご自身の健康意識が高い方ほど、レントゲンに対して不安を感じるのはごく自然なことです。
でも実は――
私たちが日常的に浴びている「自然放射線」の方が、歯科用レントゲンよりもはるかに多いことをご存じでしょうか?
この記事では、歯科レントゲンの被ばく量と自然放射線を正しく比較し、「危ない」というイメージがどれほど誤解なのかを分かりやすく解説します。
レントゲン=危険、ではない理由
まず前提として、レントゲン撮影による「放射線被ばく」はゼロではありません。しかし、その量は極めて少なく、健康への影響があるレベルには達しません。
では、どれくらい少ないのか?
たとえば、当院で使っている「デンタル(口腔内)レントゲン」の被ばく量は、およそ0.005ミリシーベルト(mSv)。「パノラマレントゲン」でも約0.02mSvほどです。
これは、日常生活で自然界から1日に浴びている放射線量(約0.006〜0.01mSv)とほぼ同等、あるいはそれ以下です。
つまり――
🟢「歯のレントゲン1回 ≒ 1〜3日間の自然被ばくと同じ」
ということになります。
📚 よくある誤解Q&A:レントゲンに関する“モヤモヤ”を解消!
Q1.「子どもにレントゲンって本当に必要なの?」
- はい。必要なタイミングではとても重要です。
特に、乳歯から永久歯への生え変わり時期には、目に見えない部分の異常(歯の数が多い・少ない、永久歯が真横に生えているなど)を確認するためにレントゲンが欠かせません。適切な時期に撮影することで、将来の矯正治療や抜歯の必要性を大きく減らせることもあります。
Q2.「過去に何度も撮ってるけど、将来への影響は?」
- 現代のデジタルレントゲン機器は、旧式のフィルム型よりも圧倒的に被ばく量が少ないため、繰り返し撮影しても問題ありません。
たとえば、成人が年に数回のレントゲン撮影を受けても、年間被ばくの総量は自然放射線の範囲内に収まります。むしろ、早期発見・早期治療のメリットの方が大きいのです。
Q3.「本当に“撮らないほうが危険”なケースもあるの?」
- あります。特に見た目ではわかりにくい「歯の根の炎症」「骨の中の膿」「歯周病の進行」などは、レントゲンなしでは診断が不可能です。
例えば、歯の神経が壊死しても痛みが出ないまま進行してしまうケースでは、レントゲンで初めて異常に気づくことも。治療のタイミングを逃すと抜歯のリスクすらあるのです。
飛行機に乗るほうがよっぽど被ばくしてる!?
さらに驚くかもしれませんが、「東京〜ニューヨーク間の飛行機移動」では、およそ0.2mSvの放射線を浴びます。これは歯科パノラマレントゲンの約10倍。
つまり――
🟢「海外旅行1回分の飛行機被ばく ≒ 歯科レントゲン10回分」!
空の上では、地上よりも宇宙線の影響を強く受けるため、このような数値になります。だからといって、飛行機に乗って病気になる人はいませんよね。これもまた、放射線量が“人体に無害なレベル”だからです。
妊娠中でも必要な場合は安全に対応
「妊娠中にレントゲンを撮っても大丈夫ですか?」という質問もよくいただきます。
基本的に、必要性が高い場合に限ってレントゲン撮影を行い、防護エプロン(鉛入りの防護着)を着用するなど、万全の対策を講じています。胎児が放射線の影響を受けるリスクはほとんどありませんが、念には念を入れた対応を行いますので、ご安心ください。
健康のために“撮るべきレントゲン”もある
歯周病、虫歯、顎の骨の異常や親知らずの位置などは、レントゲンなしでは発見が難しいケースもあります。特に歯周病は「見た目ではわからない病気」の代表格です。
当院では必要最低限のレントゲン撮影を行い、症状の進行を未然に防ぐお手伝いをしています。将来的な医療費の節約にもつながりますので、ぜひ定期的なチェックを受けましょう。
✨当院のこだわり:安心してレントゲンを受けられる環境づくり
よつば歯科・小児歯科では、「安心・安全・信頼」をモットーに、以下のような配慮を行っています。
- ✅ 最新のデジタルX線装置(低被ばく&高画質)
- ✅ 鉛入り防護エプロンを全撮影時に着用
- ✅ 小さなお子さまには保護者同伴で撮影の説明
- ✅ キッズルーム・おむつ交換台完備で子連れでも安心
また、痛みや恐怖心が強い方には、笑気吸入鎮静法も併用可能です。詳しくはこちらのブログをご覧ください。
📅「レントゲン=怖いもの」という思い込みを手放し、もっと気軽に歯科検診を受けてみませんか?
気になることがあればいつでもご相談ください。
まとめ:レントゲンの“正しい理解”で不安を減らす
レントゲン被ばくという言葉だけを聞くと、つい「怖い」「避けたい」と感じてしまうかもしれません。しかし、実際の放射線量を比べてみると、日常生活の中にもっと多くの放射線源があることに驚かされます。
安心・安全なレントゲンで、正確な診断と適切な治療を受けることこそ、将来の健康を守る第一歩です。
ご不安なことがあれば、いつでもご相談ください。
Reference
- 日本放射線技術学会(JSRT)「医療被ばくと自然放射線の比較」
- IAEA(国際原子力機関)“Radiation Protection in Dentistry”
- 国際放射線防護委員会(ICRP) Publication 103(2007)
- 厚生労働省「歯科用X線撮影による被ばく線量の実態調査」




