こんにちは！姫路市のよつば歯科・小児歯科院長の橋本です！
皆さんは「歯周病」が単なるお口のトラブルではないことをご存知でしょうか？

実は歯周病は、お口の中だけでなく、心臓病や糖尿病、認知症、早産など、全身のさまざまな病気と深く関わっていることが明らかになってきています。

当院では「予防型歯科医療」を軸に、虫歯や歯周病を未然に防ぐことはもちろんのこと、全身の健康を守ることを目的とした歯科ケアを大切にしています。
今回は、そんな「歯周病と全身疾患とのつながり」について、できるだけわかりやすくご紹介します。

 

■歯周病とは？

歯周病は、歯を支える骨（歯槽骨）や歯ぐき（歯肉）が炎症を起こし、最終的には歯を失ってしまう病気です。初期の段階では「歯ぐきから血が出る」「口臭が気になる」など軽い症状ですが、進行すると歯がグラグラになって抜けてしまうこともあります。

原因は主に、歯と歯ぐきのすき間（歯周ポケット）にたまったプラーク（歯垢）や細菌によるものですが、生活習慣や体質なども影響します。

 

■歯周病と全身疾患の“意外なつながり”

1．心疾患・脳卒中との関係

歯周病菌が血流に乗って全身を巡ることで、動脈硬化を促進し、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まるとされています。実際に、心臓の疾患を抱える患者さんの中には、重度の歯周病を併発しているケースが多く見られます。

2．糖尿病との相互関係

歯周病と糖尿病は「双方向の関係」にあります。糖尿病があると歯周病にかかりやすくなり、逆に歯周病があると血糖コントロールが難しくなります。歯周病を治療すると糖尿病を診断する。HbA1cの数値が改善されることもあり、歯科治療が糖尿病治療の一助になるという考えが広まりつつあります。

3．妊娠・出産への影響

妊娠中に重度の歯周病があると、早産や低体重児出産のリスクが高まることがわかっています。妊娠中はホルモンバランスの影響で歯ぐきが腫れやすくなったり、免疫力が低下するため、歯周病が進行しやすい時期です。妊娠を希望されている方や妊婦さんは、特に注意が必要です。

4．認知症との関連

近年では、歯周病菌が脳に炎症を起こし、アルツハイマー型認知症を引き起こす原因の一つになっている可能性が指摘されています。歯を失うことで咀嚼力が低下し、脳への刺激が減少することも、認知機能の低下につながると考えられています。

 

■なぜ歯周病が全身に影響を与えるのか？

その大きな理由は「歯周病菌とその毒素が血流に乗って全身を巡る」からです。歯ぐきが炎症を起こし、血管が傷つくと、そこから細菌や炎症物質が体内に入り込みます。

このような慢性炎症の状態が続くと、免疫力が落ち、体のさまざまな部位で病気を引き起こす土台となってしまうのです。

 

■よつば歯科・小児歯科が考える「予防は最大の治療」

当院では、ただの歯のクリーニングや虫歯の治療にとどまらず、全身の健康に目を向けた診療を行っています。

・定期的な歯周ポケットのチェック

・プロフェッショナルによる徹底的なクリーニング（PMTC）

・食事・生活習慣へのアドバイス

・必要に応じた内科との連携

これらを組み合わせた「トータルな歯科予防管理」により、患者様一人ひとりの健康寿命を延ばすお手伝いをしています。

 

■歯科は“お口の医者”であると同時に、“体の健康を守る入口”

「歯医者は痛くなってから行くもの」と思われがちですが、実際には「病気を予防するために通うところ」へと役割が変わってきています。
お口の健康を守ることは、心臓病や糖尿病、認知症などの重篤な病気を予防する第一歩です。

お口の中は、健康状態のバロメーターです。特に歯周病は“沈黙の病”とも呼ばれ、自覚症状が少ないまま進行することが多いため、定期的なチェックが欠かせません。

 

■最後に：未来の健康は、今日のお口ケアから

もし、最近「歯ぐきから血が出る」「口臭が気になる」「歯が揺れてきた」などの症状がある方は、一度歯周病のチェックを受けてみてください。

また、症状がなくても、年に2〜3回の定期健診を通じてリスクを早期発見し、早期対処していくことが重要です。

よつば歯科・小児歯科では、患者様の未来の健康を一緒に守るパートナーとして、全身を見据えた歯科医療をご提供しています。

「歯科は病気の入り口でもあり、健康の入り口でもある」
そんな思いで、今日も皆さまのご来院を心よりお待ちしております。